スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-- : -- : -- | スポンサー広告 | page top↑
愛しのエレメント
2007 / 03 / 21 ( Wed )
2007320.jpg



その日ハワイは快晴、最もハワイらしい日差しがサンサンと愛車
エレメントの窓から射していた。

夫が愛しそうにハンドルを撫でながら目指すはアラモアナの
ホンダディーラ。

このエレメントを購入したホンダディラーにエレメントを買い取って
貰う事となり、これが最後のドライブだった。


誰にでも、手放したくない思い出の品はあると思う。
私と夫が二人して手放したくなかったのはこの車。

色々な想いを乗せて走った車。

そもそも、3年前私達は日本へ転勤が決まっていたのに、その後
の健康診断で私に癌が見つかり、転勤の話はキャンセルになり
ハワイに残る事となった。

ハワイに残る事になりそれまで乗っていた車がすでに古くなり
トラブルも発生していたのでこのエレメントを買う事になる。

購入(納車)したのは私の手術前1週間。
何かと広い方が手術後も楽だろうと、夫は車を買う際に病院通いを
する事を考慮して購入した車。

納車の際、仲の良い友達2人も一緒に初乗りし、これから
手術を受ける事などすっかり忘れて私も皆と一緒にはしゃいだ。

そして、手術当日、私はこの車を降りる時に自分の胸に囁いた、
「どうか、又この車に乗って家へ帰れます様に!」

リスクは少なくとも全身麻酔で長くなるかもしれないと言われた手術。
私はきっと・・・本当は怖かったんだろう。
怖かったけど皆が居てくれたから自分が弱音を吐いたら、
きっと周りも不安になるだろうと元気一杯で出かけた。
でもエレメントを降りる時、自分の不安な部分がその囁きに現れてたに違いない。

そして、手術後、退院して無事にエレメントに乗って家へ帰れた。

こうして、この車は私の病気と共にその歴史が始まった。
だからこそ、私達夫婦には思い出深い車なのかもしれない。

日本から親が来て、妹夫婦が来て、そしてアメリカ本土から夫の
家族が来た時もこの車は活躍した。

何よりも夫が大好きな自転車を車に中にまるまる入れる事が出来
彼はハワイの至る所にエレメントと共に行きサイクリングを楽しむ
事が出来た。

たいていのアメリカ人はこのエレメントを指さし

「What a ugly car!」(なんて不細工な車だ!)と言う。
日本で人気な箱型の車はアメリカではスタイリッシュとされていない。
最近ではシオン(トヨタとダイハツが出した箱型の車)の人気が
出てきてる様だが、それでもまだまだ箱型の車を褒める人は少ない。

でも、日本びいきの夫は発売当初からこのエレメントに目をつけて
いたので、購入した時のその喜んだ顔は今でも忘れられない。
エレメントなのでエリーというニックネームもつけた。

振り返るとたくさんの想いを乗せて私達のエレメントは
私達と一緒に走ってくれた。

私達がホンダディーラーにつき、鍵を渡す時、夫は下を向いたままだった。
手放すのが悲しくってそこに止めたエレメントを見る事が出来なかったのだろう。。

自分達の車が今自分達の元を離れ、その古巣へ戻る。
この日をもってもう私達のエリー(エレメント)じゃなくなる。
でも、エレメントとの決別は私が病気を克服し、元気になり今
こうして次なる新たな土地に旅発つ証でもある。だから最後に一言

エリー、ありがとね?

と日差しを受けて輝いてるエレメントに私は一礼した。

スポンサーサイト
01 : 08 : 42 | ひとりごとエッセイ | トラックバック(3) | コメント(8) | page top↑
| BLOG TOP |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。